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執筆者の写真キンビーズ応援団(Cybozu)

IT知識ゼロだった過去を活かし「誰でも学べばできる」kintone の構築を。“すごくなくてもいい”ことを発信し続けたい

星野リゾート 

小竹 潤子さん




新卒でサービススタッフとして星野リゾートに入社後、2019年に情報システムグループに異動し、IT知識ゼロからのスタートをした小竹さん。現在は、ユーザーサポート業務や社内のヘルプデスク問い合わせ対応をメインにお仕事をされているそうです。今回はそんな小竹さんならではの、魅力的な kintone エピソードをたくさんお聞きしました!


 

「荒れた畑状態」から「誰でも学べばできる kintone」を目指してスタート


新卒入社後、星野リゾートのサービススタッフとして働いていた小竹さん。

もともと所属していた部署では紙とペンを用いて業務改善をしていましたが、ある日スプレッドシートを使ってみたところ、ツールを使うことで大きな変化が生まれると感じたそうです。


それをきっかけに、より広い視点から会社に携わりたいと考え、2019年より情報システムグループに異動、その後本格的に kintone を用いた業務改善に携わり始めました。星野リゾートとしては2014年から kintone を導入していましたが、小竹さんが異動した当初は荒れた畑のようになっていたそうです。


「当時はやりたい人にアプリ作成権限を配る方式であったため、 kintone が広がってはいましたが、荒れた畑のようになっていました。色々な人から使いたいと言われるけれど、権限を解放するとさらに荒れてしまうために解放できない状態でした。そこでまずは、荒れた畑の整備・カバナンス整備をすることから始め、身近な業務の kintone 化を行いました。」


そんな小竹さんは、情シスに異動した当初はIT知識が全くなかったそうです。


「Excelもマクロもわからない状態でしたが、使っていくうちにだんだんと理解することができるようになりました。逆に全く知識がなかった自分が使いこなせるようになったからこそ、きっと他の人もできるようになると感じ、『すごくなくてもいい』アプリの量を増やしていくことを意識していました。情シスとして“できる人だけが使えるツール”ではなく、“誰でも学べばできるツール”を作ることを心掛けています。」


昨年にワークフローも kintone 化したことで、現在は現場で働くサービススタッフも使うツールとなり、かなり定着が進んだそうです。

ご自身がIT知識ゼロからのスタートだったからこそ、「すごくなくてもいい」ことを意識されている姿が素敵ですね。


 

わからない人の目線に立ち開催した勉強会。「自分たちの期待値を簡単に超えてくれた」

続いては、小竹さんが kintone に魅力を感じたエピソードについてお伺いしました。


小竹さんを始めとした情シスの方々は、2021年の春から kintone の社内勉強会を開催しているそうです。


「社内の人に kintone をもっと活用してほしいと考えたことがきっかけです。ただ、kintone は使えばハマると思っていたのですが、パソコンが苦手な方にどう説明すべきか、また情シスとして参加してくださった方の期待に応えられなかったらどうしようという思いもあり、なかなか勉強会を開催する勇気が出ませんでした。」


そんな小竹さんは、ある一つの声がきっかけで勉強会を開催する決意ができたそうです。


「社内で勉強会のテーマを募集する仕組みがあるのですが、リクエスト箱の中に、“ kintone について知りたい”という声がありました。その声を聞いて、需要があるならやってみようと思い開催の決意をしました。」


勉強会は3時間で、最初は kintone の全体的な説明をし、その後グループワークを実施。実際に星野リゾート内で起こりやすいシナリオを準備し、その課題に対してkintone を用いてどのように解決していくかを考えてもらったそうです。


「情シスの私たちは、“とにかく褒めて、参加して良かったと思って帰ってもらうこと”を目標にしました。」


しかし、実際に開催をしてみたら驚くべきことが起きたそうです。


「思っていた以上に積極的にアプリの作成にチャレンジをしてくれて、1時間でフィールドやグラフ、プロセス管理までも作られていました。自分たちが勝手に『このぐらい』と見積もっていたハードルを、参加者の皆さんが簡単に越えてくれたことが驚きでした。開催前は不安もありましたが、想像以上にニーズがあり、 kintone のことを知りたいと思っている方が多いことが分かり嬉しかったです。この出来事を通して、 kintone の可能性を改めて感じました。」


前向きに参加される星野リゾートの皆様も素晴らしいですが、それだけではなく、小竹さんをはじめとした情シスの方々が、 kintone がわからない方の目線に立ち、勉強会の内容を徹底的に練られている様子や、非常に丁寧な準備を行っていることに私たちも驚かされました。


小竹さん達の前向きな姿勢や想いがあるからこそ、社内の皆様にもその熱意が伝わったのかもしれませんね。


そしてもう一つ素敵なエピソードを教えていただきました。


「現場で働く方から情シスに対して、事務処理手続きを kintone 化したいという声がありました。もともとその手続きは、総支配人がExcelを用いてチェックをしていたものでしたが、本来総支配人はマネジメント業務で忙しい方です。Excelではあまりにも時間がかかってしまうため、 kintone 化することで業務効率をしたいという要望でした。」


「 kintone 化をした結果、総支配人から『今までチェックにかかっていた時間が半減し、浮いた時間を別の業務に充てることができました』と嬉しいお声をいただくことができました。実際に kintone を用いたことで業務効率化が実現できると、とても嬉しいですね。」


 

「IT知識ゼロ」だった過去を活かし、“すごくなくてもいい”ことを発信


小竹さんは、Twitter・note・キンコミなど、kintone コミュニティで様々な発信をされている姿が印象的です。また、2021年の8月からは kintone エバンジェリストとしても活動されています。そんな小竹さんは、どのような想いで発信をされているのでしょうか。


「 kintone はインプットされる情報が非常に多いため、発信をすることでインプットとアウトプットのバランスをとっています。そして発信をする際には、一ユーザーとしてもエバンジェリストとしても、“すごくなくてもいい”ことを発信するように心掛けています。自分自身IT知識がない中からスタートしたからこそ、 kintone で悩む方に人一倍共感できますし、だからこそ『すごくなくてもいいんだよ』と伝えたいです。良い意味で、『小竹さんができるなら、自分にもできそう!』と思ってもらえると嬉しいですね。」


kintone ユーザーさんの中には、自身の経験や悩みをアウトプットすることにハードルを高く感じている方もいらっしゃいます。そんな方に向けて、小竹さんならではのアドバイスをいただきました。


「もともとは私自身もアウトプットすることにハードルを感じていました。なぜなら、自分がアウトプットする際には同意や共感を示すだけではなく、独自の視点を入れなくてはならないと思っていたからです。しかし、今自分がアウトプットする立場になってみて思うのは、周囲から同意や共感を示されるだけでも非常に嬉しいということです。率直な感想で『そうですね、いいですね』など、共感の気持ちや受け取ったものをそのまま出すだけでも、相手にとっては十分なアウトプットになると思います。」


“まずは共感の気持ちをそのまま出してみること”

アウトプットが苦手だった過去と、アウトプットを積極的に行っている現在との双方を経験しているからこそ、非常に説得力のある素敵なお言葉ですね。


最後に、小竹さんが kintone を通して実現したい世界についてお伺いしました。


「まず社内では、私が kintone を作らなくても良くなると良いと思っています。 kintone は特別な技術ではなく、誰しも学べばできるものです。情シスに依頼しないといけないのではなく、社員一人一人が自由な発想で、どんどん使っていってほしいです。つまり目指すのは“全社員IT人材化”ですね。また、 kintone コミュニティでは、もっともっと色々な方と交流していきたいです。自分にとって当たり前なことは他の人にとっては新鮮なことであったり、その逆もあったりします。だからこそ、引き続きインプットとアウトプットを繰り返しつつ、色々な方の考え方を知っていきたいと思います。」



もともとはIT知識ゼロからのスタートだった小竹さん。壁にぶつかりながらも、前向きに楽しみながら kintone と向き合っている姿が非常に印象的でした。小竹さんならではの『すごくなくてもいい発信』がこれからも楽しみです!

小竹さん、ありがとうございました!

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